ご挨拶

第17回日本臨床試験学会学術集会総会 in 神戸

会長 真田 昌爾

神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター長/教授
神戸大学大学院医学研究科 橋渡し科学分野長

真田 昌爾

第17回日本臨床試験学会学術集会総会 in 神戸

会長 真田 昌爾

神戸大学医学部附属病院 
臨床研究推進センター長/教授
神戸大学大学院医学研究科 橋渡し科学分野長

第17回日本臨床試験学会(JSCTR)学術集会総会 in 神戸の会長を拝命いたしました真田昌爾です。

JSCTRは、様々な疾患に苦しむ患者さんに、1日も早く最善の医療を提供するために実施する臨床試験・臨床研究(以下、臨床試験)に携わる専門職全体の知識と技術の向上をはかり、臨床試験を主導する医師・研究者を始め、生物統計家、スタディマネージャー、データマネージャー、モニター、CRC等の支援専門職種の枠を超えた情報交換と教育・研究活動を推進し、我が国の臨床試験の推進及び質の向上に寄与することをミッションとしています。

第17回日本臨床試験学会学術集会総会は、『臨床試験が紡ぐ人々のしあわせ―対極の共存、協働による調和―』をテーマに、2025年2月19日(木)~21日(土)の会期で、神戸国際会議場にて開催いたします。

2019年に始まった未曾有のコロナ禍を経てICTや医療Dxは急激に進展し、医薬品、医療機器、再生医療等製品など新しい医療技術の開発は時々刻々と進化を続けています。臨床試験の現場でもPPI(研究参加者の試験参画)、DCT(分散型臨床試験)、AIによるデバイス革命や臨床試験計画・実施改革など、多様な課題に急速な対応が求められています。また、臨床試験の国際ルールであるICH-GCPの抜本改正が行われ、日本の臨床試験の現場でも様々な対応が必要となっています。さらに我が国では、ドラッグロス・デバイスロスや医師・研究者の働き方改革などの国家的課題にも喫緊の対応を迫られています。これら全ての対策を模索する中、私たちが目指すべき未来像はますます不透明となり、新しい医療技術の開発や活用を通じて私たちが求める真の「しあわせ」の姿を見通すことが極めて難しい状況にあります。

一方、例えばリモートデジタルコミュニケーションの革命的発達がもたらすアナログコミュニケーションの再評価、急速な臨床研究開発のグローバル化による画一化の波が押し寄せる一方で飛躍的に進化発展する個別化医療への対応、業務の高度な多様化・専門化に伴い相対的に求められる普遍的な共通認識・知識の必要性など、時世の先端の流れはあたかも「対極」の合間を循環しているかのようにも見えます。そこで、私たち一人ひとりが、形は異なっても共通の目的である「幸せ」に向かって、時世に左右されない真の方向性を見極めるためには、この「対極」の姿を正しく捉え、お互いの相違を認め合い、「対峙しながら共存、調和する」あり方を求めて議論する、オープンマインドな思考と広い視野、深い洞察が必要なのではないかと思います。

これらの思いを本会のテーマに込め、アカデミア、行政、企業といった所属組織や資格職種の垣根を越えて、多様なバックグラウンドを有する第一線でご活躍の先生方にプログラム委員をお願いし、大会運営の経験とアイデアが豊富な実行委員の先生方との協働により、画期的、萌芽的なアイデアを含む多彩なプログラムをご用意いたします。より多くの方々に、臨床試験をより深く、時に臨床試験の枠に捉われずより幅広く思考し、議論を重ね、交流し、協働という「仕合わせ」による調和を感じて頂ける実り多い会となるよう、鋭意準備を進めて参ります。

第17回JSCTR学術集会総会 in 神戸への多くの方々のご参加を、心よりお待ちしています。

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